ゆれるスカート

しゃくしゃく余裕で暮らしたい

卒業

今週のお題「卒業」


卒業式でした。

朝早く美容院でヘアメイクをしてもらい、袴を着るのは楽しいものである。

さよなら、私の学生時代。


卒業式のあとに祝賀会なるものがあった。パーティー的なものだ。


ドレスを着るのは違う自分になったみたいで、どきどきする。


でも…。でもね。


私は一体なにから卒業したの。

私は古いままだ。


今日で会えるのが最後だろうボーカルくんを見かけるも、声を掛けられない。

一緒に写真を撮ってください、と言えたらどんなにかいいのに。

チャンスならあった。

彼がひとりになる時はあった。

できなかった。


私は古いままだ。

そのパーティーに居心地の悪さを感じたしのは、気慣れないドレスが変になっていないか気にしていることや履き慣れないハイヒールのせいだけではなかった。


今夜、私は誰よりも孤独だった。

泣きたいけれど涙は出てこなかった。

泣くのにも体力はいる。


ボーカルくんに声を掛けられず、パーティー会場を後にした。

ああ、これは生涯の後悔になるんではなかろうか。そんな予感がした。


あの時、声を掛けていれば。

私は彼に、私が彼に興味を持っていることを伝える必要があった。

0を1にする必要があった。


祝賀会の後、比較的親しい友人らと居酒屋に集まった。

退屈だった。

非生産的な集まりに思えた。

「比較的」親しいだけで、親しくはない。

祝賀会よりは幾らか軽減されたものの、依然として居心地の悪さはあった。


彼女たちではない誰かと居たかったし、同じくらいひとりになりたかった。


終電よりひとつ早い電車に揺られながら、私の心は渇ききっていた。

このまま何処かへ行きたい。

私を傷つけることのない世界へ。

私の愛しい人が私を愛してくれる世界へ。


私の欲しいものは私には不釣り合いなのだろう。

高望みが過ぎるのだろう。


そろそろ絶望に慣れたい。

兎に角、私は卒業したのだ。

なにから。

そして、次はどんな絶望に会えるの。