ゆれるスカート

しゃくしゃく余裕で暮らしたい

恋の萌芽

今日のバイトの時、夜勤さんにとても似ている人を見た。
マスクをしていたから、顔下半分は見えなかったけれど目元が似ていた。
髪型が違って、髪質も違っていたことで彼らが別人だとわかる。

夜勤さんより大いに健全そうでまともに見えた。夜勤さんにはなかった生活感があった。

一目惚れなんかしたくないんだけど、それに近いものがあった。
夜勤さんであるかどうかを判別するべく彼を凝視していたから、なんなんだこの店員って思われたこと請け合い。

私のラブコールに気づくこともないのでしょう、貴方は。

すきですすきですあなたがすきです
おーい、聞こえてますかー、おーい

夜勤さんに会いたくて死にそうになるけど、死にそうになるだけで実際死なない。

彼は同じ世界に居るんだろうか、この2016年に?
数ヶ月前まで同じバイト先に、同じ空間に居たのに、今は彼が生きているのかも知れない。

同じマンションに住む隣人をよく知らないように。

この世には恋として開花しない恋の萌芽が無数にあるんだろう。



さよなら、と呟く。
泣いてない。