ゆれるスカート

しゃくしゃく余裕で暮らしたい

ときめきと安寧

昨日、久しぶりに大学に行った。
就職事前研修講座なるものがあったのだ。

10のグループに分かれ、各グループ6人くらいで作業したりした。

自己紹介、意見交換、共同作業、最後に各々にコメント(褒め殺し)
といったメニュー。

就活中も内定後もこんなことばっかりだな…。もしかしたら、一生こんなことの繰り返しなのかも。
自己紹介、意見交換、共同作業、まとめ、自己紹介、意見交換………略。

こんなこと何回もしてるはずなのに、私はその持ち前の内向性を発揮し、大した発言もできずにいた。

内定取れてるのに、なんか落ち込む。
私、大丈夫かよ。

グループに唯一男子がいた。
別の学科の、薄い顔で人懐っこい雰囲気の人だった。マスクをしていたから表情を仔細に見ることはできなかったけれど、笑うと細くなる優しそうな目元が印象だった。彼は私たちのグループで終始ムードメーカー的な存在だった。

作業が早く終わってしまい、グループに沈黙が訪れると私は彼に笑いかけたりしたのだけれど、それは別に「あなたのことが好きです」とかいうメッセージではなく単に「早く終わらないかな?」みたいな深い意味のない笑みだった。

彼は私の右隣に座っていたから自ずと私はそうしていた。

それに対して彼は、同じように微笑んでくれるのだった。あるいは何か言ったかもしれない。憶えていない。

とにかく私はどきどきした。
優しそうな人だな、一緒にいたら楽しいだろうな、そう思った。

グループで共同作業をする時間があって、その時、彼ととても接近した。
それは計ったらわけではなく、自然な成り行きだった。
本当に近くてどきどきした。

彼にはもう会えないかもしれない。
奇跡が起きれば、卒業式で会えるかもしれない。

恋の芽が育つことはない。
私はその小さな芽に水を与えようとしない。いつもそう。
それは、怠惰か。傲慢か。勇気がないのか。無知か。阿呆か。

全てだ。

彼の髪の毛を指の隙間に入れてみたいなあ、という願望は願望の域をでない。

視界が曇る。泣くな。

久しぶりにどきどきしたな。
きっとなにかいい成分が身体に分泌されたはずである。

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内定先から書類が届き、配属先が報された。自宅から通える範囲で安堵している。

いつまでも安寧に浸ってはいられないらしい。